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責任と命の大切さの教えを後世に残して~吉良平治郎慰霊祭~
2020年10月13日
輪になって踊る「コロリムセ」を体験
輪になって踊る「コロリムセ」を体験
 郵便の逓送中に殉職したアイヌ民族・吉良平治郎のイチャルパ(先祖供養)が12日、宿徳内の吉良が丘で行われました。

 釧路町アイヌ協会の主催で10年ぶりの開催となった慰霊祭。阿寒アイヌ協会や阿寒アイヌ民族文化保存会などの協力により、アイヌの伝統にのっとったカムイノミ(神への祈り)の儀式の後、祭壇に供物を捧げるイチャルパが行われました。

 また、吉良平治郎殉職記念碑の前でアイヌ民族伝統舞踊の「鶴の舞」や「弓の舞」が披露され、参列者は輪になって踊り比べをする「コロリムセ」を体験しました。

 吉良平治郎は、大正11年1月19日の吹雪の夜、郵便物を届けるために釧路から昆布森へと出発しましたが、現在の宿徳内の辺りで猛吹雪に見舞われます。平治郎は自分のマントで郵便物を包み、雪の中へ埋めて持っていた竹杖を目印に立て、救助を求めて歩き出しますが、やがて力尽き絶命します。後日、雪の中から平治郎が遺した郵便物が無傷の状態で見つかり、命をかけて自らの責任を果たしたその行いは今も語り継がれています。

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