近年の大地震などでは、谷や沢を埋めた盛土や斜面に腹付けした盛土に地滑り(滑動崩落)が生じ、多くの宅地被害が発生しました。このような被害を未然に防止・軽減し宅地の安全性を確保するため、国は「宅地耐震化推進事業」を推進しています。
令和元年度(2019年度)に国が実施した調査により、釧路町において8か所の大規模盛土造成地が確認されました。
このため、町民の皆さまに、大規模盛土造成地が身近に存在することを知っていただきに、日頃からの防災意識を高め、災害防止や被害軽減を目的としてマップを公表します。
盛土造成地は、谷間や山の斜面に土を盛るなどして作られています。このうち、過去の地震時の被害事例から、滑動崩落の発生が多かった盛土の面積や高さ、盛土をする前の地盤の傾斜をもとに、2種類の大規模盛土造成地が下図のとおり定められています。
谷や沢を埋め立てた造成地で、盛土面積が3,000㎡以上の盛土
傾斜地に盛土をした造成地で、造成前の地盤の角度が20度以上でかつ盛土の高さが5m以上の盛土
(図の出典:国土交通省「大規模盛土造成地の滑動崩落対策推進ガイドライン及び同解説」より)
滑動崩落とは、地震時に宅地造成前の谷底付近や盛土内部を滑り面として、盛土造成地の全体または大部分が斜面下部方向に移動(滑る・崩れる)することです。
(図の出典:国土交通省「宅地耐震化の取組に関するパンフレット」より)
地震時の宅地の安全性を確保するため、国において大規模盛土造成地の抽出調査(第1次スクリーニング)が行われました。その結果を大規模盛土造成地マップとして公表します。
ページ下部の関連様式ダウンロードよりご確認ください。
宅地造成前後の地形データ(地形図・空中写真)を重ね合わせ、その標高差や地形情報から大規模盛土造成地を抽出し、おおむねの位置と規模の状況を示したマップです。
マップに示された箇所が、地震時に必ずしも危険というわけではありません。
釧路町では、第1次スクリーニングにより抽出された大規模盛土造成地(8か所)を対象に、安全性把握の取り組みとして国の方針に基づき調査(第2次スクリーニング)を実施しています。
地点番号 | 所在地 | 面積(㎡) | 種類 | 2次スク実施状況 |
---|---|---|---|---|
1 | 南陽台6丁目 | 31,604 | 谷埋め型 | 経過観察 |
2 | 緑1丁目 | 50,271 | 谷埋め型 | 未実施 |
3 | 緑3丁目 | 3,495 | 谷埋め型 | 未実施 |
4 | 柏東1丁目 | 21,398 | 谷埋め型 | 完了(令和5年度) |
5 | 柏西3丁目 | 95,411 | 谷埋め型 | 完了(令和6年度) |
6 | 柏東7丁目 | - | 腹付け型 | 完了(令和5年度) |
7 | わらび2丁目 | 47,376 | 谷埋め型 | 経過観察 |
8 | 昆布森3丁目 | 3,329 | 谷埋め型 | 経過観察 |
経過観察:全体的に斜面勾配が緩やかなこと等により、第2次スクリーニングを実施する優先度が低いことから、1回/年以上を標準とし、融雪時・集中豪雨時・地震時にパトロールを行う地点。
上記経過観察地点を除く、5か所のうち3か所について安全性把握(第2次スクリーニング)調査を行った結果、常時・地震時に滑動崩落のおそれが低い大規模造成地が1か所(調査地点5)、常時・地震時に滑動崩落のおそれがある大規模造成地が2か所(調査地点4及び6)あることがわかりました。
滑動崩落のおそれがある地点においては、安全性評価の目安にわずかに達していない状況であることから、本結果を踏まえて亀裂や沈下、隆起等の変状の有無について定期観察を実施します。
調査結果の詳細については、都市計画課都市計画係までお問い合わせください。
調査未実施の2か所についても今後調査を実施し、安全性把握を行う予定です。
A.公表したマップは危険個所を示したものではなく、町内における大規模盛土造成地のおおむねの位置と規模を示したものです。大規模盛土造成地であるから地震時に必ずしも危険というわけではありません。
A.現時点で対策の必要はありません。盛土造成地であることを認識していただき、日頃から地盤や擁壁の変状が発生していないか、排水施設のつまりや土砂流出がないか点検を行うなど、防災意識を高めていただきたいと考えております。点検の際は、国土交通省ホームページにある「わが家の宅地安全マニュアル」を参考にしてください。
A.建築が特別制限されることはありません。
A.重要事項説明書への記載は求められていません。