○釧路町通所型サービスCの事業に関する基準を定める要綱
平成29年3月31日
訓令第16号
(趣旨)
第1条 この訓令は、釧路町介護予防・日常生活支援総合事業実施要綱(平成29年釧路町訓令第3号。以下「実施要綱」という。)第4条第1項の規定に基づく通所型サービスCの事業に関する基準について定めるものとする。
(実施者)
第3条 通所型サービスCの実施主体は釧路町(以下「町」という。)とし、事業の実施に当たっては、介護保険法施行規則(平成11年厚生省令第36号。以下「省令」という。)第140条の69の規定に適合し、かつ運動器機能向上、栄養改善、口腔機能向上及び閉じこもり・認知症予防プログラム(以下「プログラム」と総称する。)ごとに別表に定める要件を満たす団体等(以下「事業者」という。)へ通所型サービスCの実施を委託することができる。
(実施者の責務)
第4条 実施者は、事業対象者及び要支援者等のうち通所型サービスCの利用を希望する者(以下「利用者」という。)の意思及び人格を尊重し、常に利用者の立場に立ったサービスの提供に努めなければならない。
2 実施者は、通所型サービスCに係る事業を運営するに当たっては、他の介護予防・日常生活支援総合事業を実施する事業者、その他の保健医療サービス及び福祉サービスを提供する者との連携に努めなければならない。
(基本方針)
第5条 通所型サービスCは、利用者に対し、その心身の状況、置かれている環境等に応じて、保健・医療の専門職が、別表に定めるプログラムを実施することによって、要介護状態等となることの予防又は軽減若しくは悪化の防止及び地域における自立した日常生活の支援を行うことを目的として実施しなければならない。
2 通所型サービスCは、利用者に対し、その心身の状況、置かれている環境等に応じたサービスを提供するとともに、セルフケア(自分で自己の健康管理を行なうことをいう。以下同じ。)に向けた動機付け及び学習を行うことによって、通所型サービスC終了後においても、地域活動において継続的に生活機能を維持していくことを目指して行わなければならない。
(サービスの提供期間)
第6条 同一の利用者に対して通所型サービスCを提供する期間は、プログラムごとに別表に定める範囲の期間とする。
2 同一の利用者に対する同一プログラムの利用については、原則として、当該プログラムが終了した日の属する年度内1回に限るものとする。
(提供回数の限度)
第7条 同一の利用者に対して通所型サービスCを提供する回数は、週1回を限度とする。
(実施方針)
第8条 通所型サービスCは、プログラムごとに別表に定める実施内容に沿って、行わなければならない。
(内容及び手続の説明並びに同意)
第9条 実施者は、通所型サービスCの提供の開始に際し、あらかじめ、利用者又はその家族に対し、当該提供の開始について説明の上、同意を得るものとする。
(心身の状況等の把握)
第10条 実施者は、通所型サービスCの提供に当たっては、釧路町地域包括支援センター設置規則(平成18年釧路町規則第18条)に定める釧路町地域包括支援センター(以下「センター」という。)その他保健医療サービス又は福祉サービスを提供する者との密接な連携、センターが開催するサービス担当者会議(釧路町指定介護予防支援等の事業の人員及び運営並びに指定介護予防支援等に係る介護予防のための効果的な支援の方法に関する基準を定める条例(平成26年釧路町条例第28号)第33条第9号に規定するサービス担当者会議をいう。以下同じ。)等を通じて、利用者の心身の状況、その置かれている環境、他の保健医療サービス又は福祉サービスの利用状況等の把握に努めなければならない。
(センター等との連携)
第11条 実施者は、通所型サービスCの提供に当たっては、介護予防支援又は介護予防ケアマネジメントを行うセンターその他保健医療サービス又は福祉サービスを提供する者との密接な連携に努めなければならない。
2 実施者は、通所型サービスCの終了に際しては、利用者又はその家族に対して適切な指導を行うとともに、センターに対する情報の提供に努めなければならない。
(介護予防サービス計画又はケアプランに沿ったサービス提供)
第12条 実施者は、介護予防サービス計画(省令第83条の9第1号ニに規定する計画を含む。以下同じ。)又は介護予防ケアプラン(介護予防ケアマネジメントに基づくケアプランをいう。以下同じ。)に沿った通所型サービスCを提供しなければならない。
(サービス提供の記録)
第13条 実施者は、通所型サービスCを提供した際には、当該通所型サービスCを提供した日、その内容その他必要な事項を介護予防サービス計画、介護予防ケアプラン又はこれらに準ずる書面に記載しなければならない。
2 実施者は、通所型サービスCを提供した際には、当該提供した具体的なサービスの内容等を記録するとともに、利用者からの申出があった場合には、文書の交付その他適切な方法により、当該利用者に対し、その情報を提供しなければならない。
(利用者負担金)
第14条 通所型サービスCの利用者は、利用するプログラムごとに別表に定める額を実施者に支払わなければならない。
(設備及び備品等)
第15条 実施者は、通所型サービスCを提供する場所を有するほか、消火設備その他の非常災害に際して必要な設備並びに通所型サービスCを提供するために必要な設備及び備品等を備えなければならない。
(緊急時の対応)
第16条 実施者は、現に通所型サービスCの提供を行っている利用者に病状の急変が生じた場合その他必要な場合は、速やかに主治医への連絡その他の必要な措置を講じなければならない。
(衛生管理等)
第17条 実施者は、従業者又は職員(以下「従業者等」という。)の清潔の保持及び健康の状態について、必要な管理を行わなければならない。
2 実施者は、通所型サービスCの事業所において感染症が発生し、又はまん延しないように必要な措置を講ずるよう努めなければならない。
(秘密保持等)
第18条 実施者は、従業者等又は従業者等であった者が、正当な理由なく、その業務上知り得た秘密を漏らすことがないよう、必要な措置を講じなければならない。
2 実施者は、サービス担当者会議において、利用者の個人情報を用いる場合は当該利用者の同意を、利用者の家族の個人情報を用いる場合は当該家族の同意を、あらかじめ文書により得ておかなければならない。
(苦情処理)
第19条 実施者は、提供した通所型サービスCに係る利用者及びその家族からの苦情に迅速かつ適切に対応するために、苦情を受付けるための窓口の設置その他の必要な措置を講じなければならない。
2 実施者は、前項の苦情を受付けた場合には、当該苦情の内容等を記録しなければならない。
3 実施者が事業者である場合は、提供した通所型サービスCに係る利用者からの苦情に関し、町が行う調査に協力するとともに、町から指導又は助言を受けた場合においては、当該指導又は助言に従って必要な改善を行なわなければならない。
4 実施者が事業者である場合は、町からの求めに応じ、前項の改善内容を改善後に報告しなければならない。
(事故発生時の対応)
第20条 実施者は、利用者に対する通所型サービスCの提供により事故が発生した場合は、速やかに町及び当該利用者の家族等に連絡するとともに、必要な措置を講じなければならない。
2 実施者は、前項の事故の状況及び処置について記録しなければならない。
3 実施者は、利用者に対する通所型サービスCの提供により賠償すべき事故が発生した場合は、速やかにその損害を賠償しなければならない。
(記録の整備)
第21条 実施者は、利用者に対する通所型サービスCの提供に関する次の記録を整備し、その完結の日から5年間保存しなければならない。
(1) 各プログラムにおいて作成する個別支援計画書及び利用者が作成する計画書の写し
(2) 第13条第2項に規定する具体的なサービス内容等の記録
(3) 第19条第2項に規定する苦情の内容等の記録
(4) 第20条第2項に規定する事故の状況及び当該事故に際してとった処置についての記録
(委任)
第22条 この訓令に定めるもののほか必要な事項は町長が別に定める。
附 則
(施行期日)
1 この訓令は、平成29年4月1日から施行する。
(準備行為)
2 町長は、この訓令の施行の日前においても、利用に関し必要な準備行為をすることができる。
別表(第3条、第5条、第6条、第8条、第14条関係)
(1) 運動器の機能向上プログラム
項目 | 内容 |
目的 | 生活機能が低下している者に対し、運動することの楽しさを体感し、運動効果を理解しながら運動器の機能向上を図ることで、いつまでも元気に自立した生活を続けることができるよう支援を行う。 |
対象となる利用者 | 省令第140条の62の4第2号の規定に基づき厚生労働大臣が定める基準(平成27年厚生労働省告示第197号)様式第1(以下「基本チェックリスト」という。)に記入された内容が、同基準様式第2に掲げる基準(以下「判定様式」という。)②に該当する者のうち、利用期間中に目標を達成する見込みのある者 ※判定様式①のみ該当する者についても、対象とすることが可能 |
プログラム概要 | 転倒及び骨折並びに膝痛・腰痛の予防、加齢に伴う運動器の機能低下予防、並びに運動機能の向上を図る観点から、ストレッチ、有酸素運動、簡易な器具を用いた運動等又は機器を使用しない機能的トレーニングを行う。 |
従業者 | 理学療法士、作業療法士、看護職員、柔道整復師、あん摩マッサージ指圧師又は介護福祉士の資格を有する者 |
利用人数の目安 | おおむね15名程度 |
実施期間 | 6ヶ月間 |
実施回数・時間 | 週1回、1回当たり90分程度 |
利用者負担金 | 1回160円 |
実施内容 | ①従業者による事前アセスメント 従業者はプログラム開始前に、利用者の心身機能の把握及び身体機能を踏まえたプログラム実施に係る危険性についての評価を行うとともに、関連するQOL等の個別の状況等についても把握し、評価する。 ②個別支援計画書の作成 従業者は、事前アセスメントの結果を踏まえ、利用者ごとのプログラム内容、実施期間、実施回数等を記載した個別支援計画書を作成し、利用者の了解を得るものとする。 なお、個別支援計画書の作成に当たっては、実施期間を6ヶ月間とし、利用者の負担とならず、かつ、その効果を期待できるスケジュールを設定する。また、一定期間ごとに一定の目標を定め、利用者の状況に応じて、過度の負担がかからないようにプログラムを設定する。 ③プログラムの実施 従業者は、個別支援計画書に基づき、運動(ストレッチ、有酸素運動等)を実施する。なお、1回のプログラムの中に、セルフケアのための学習時間を入れること。また、1か月に1回、サービスの実施状況及び目標の達成状況を記録すること。 ④従業者による事後アセスメント 従業者は、計画終了時に、当該利用者の目標達成度、身体機能、関連するQOL等を評価するとともに、利用者が継続して運動を行うことができるように配慮する。 |
留意事項 | (1)プログラムが安全に行われるよう、必要に応じ、主治医との連携の上で実施すること。 (2)事故防止のため常に十分な注意を払うとともに、利用者の安全性を十分に考慮し、緊急時に対応できる体制を整備すること。 (3)プログラムの実施及び評価に当たっては、「運動器の機能向上マニュアル(厚生労働省、平成24年改訂版)」をはじめとする文献等を参考とすること。 |
(2) 栄養改善プログラム
項目 | 内容 |
目的 | 低栄養状態の予防又は改善を図るとともに、いつまでも「食」を楽しみ、自立した生活を送ることができるよう支援を行う。 |
対象となる利用者 | 基本チェックリストの判定様式に掲げる③の基準に該当する者 |
プログラム概要 | 高齢者の低栄養状態を早期に発見するとともに、「食べること」を通じて低栄養状態を改善し、高齢者の自立支援の一つとして「個別的な栄養相談」を実施する。 |
従業者 | 管理栄養士 |
実施期間 | 6ヶ月間 |
実施回数・時間 | 月1回(計6回)、1回当たり60分程度 |
利用者負担金 | 1回140円 |
実施内容 | ①管理栄養士による事前アセスメント 管理栄養士はプログラム開始前に、利用者に対して身長、体重等の身体計測を行うとともに、食事摂取状況、アレルギーの状況等を把握し、低栄養状態の危険性についての評価を行う。 ②利用者本人による栄養改善のための計画の作成支援 管理栄養士は、事前アセスメント結果及び利用者の意向を踏まえ、栄養改善の観点から必要となる栄養量、日常の食事の形態等配慮すべき事項について説明し、その説明を踏まえて利用者が行う計画づくりを支援する。また、栄養改善に向けた食事に関する目標を定めることにする。 ③情報提供 管理栄養士は、利用者により作成された計画の実施に当たり、当該利用者の低栄養状態を改善するため、地域において食事作りの会や食事会を提供しているボランティア組織の紹介、高齢者の食事作りに便利な器具、栄養改善に有効な食品の購入方法等に関する情報提供を行う。 ④管理栄養士による事後アセスメント 管理栄養士は、利用者により作成された計画の終了時に、当該利用者の目標達成度、低栄養状態の改善状況等を評価する。 |
留意事項 | (1)プログラムの実施に当たっては、一方的な指導とならないよう、個々の利用者の実情に応じ、独自に実施方法の工夫を行うこと。 (2)プログラムの実施及び評価に当たっては、「栄養改善マニュアル(厚生労働省、平成24年改訂版)」をはじめとする文献等を参考とすること。 |
(3) 口腔機能向上プログラム
項目 | 内容 |
目的 | 口腔機能の維持・改善を通じて、いつまでもおいしく食べることができるとともに、会話等を楽しむことができるよう支援を行う。 |
対象となる利用者 | 基本チェックリストの判定様式に掲げる④の基準に該当する者 |
プログラム概要 | 高齢者の摂食・嚥下機能の低下を早期に発見し、その悪化を予防する観点から口腔機能向上のための教育や口腔清掃の自立支援、摂食・嚥下機能訓練の指導等を個別に実施する。 |
従業者 | 歯科医師、歯科衛生士 |
実施期間 | 3ヶ月間 |
実施回数・時間 | 月2回(計6回)、1回当たり60分程度 |
利用者負担金 | 1回140円 |
実施内容 | ①従業者による事前アセスメント 従業者はプログラム開始前に、利用者の口腔機能の状況等を把握し、口腔機能低下の危険性についての評価を行う。 ②個別支援計画書の作成 従業者は、事前アセスメントの結果を踏まえ、利用者ごとのプログラム内容、実施期間、実施回数等を記載した個別支援計画書を作成し、利用者の了解を得るものとする。 ③プログラムの実施 従業者は、以下の内容を含むプログラムを実施する。 (ア)口腔機能の向上教育 (イ)口腔清掃の指導 (ウ)摂食・嚥下機能に関する機能訓練の指導 (エ)セルフケアプログラムの作成 (オ)セルフケアプログラム実施に当たっての指導 ※セルフケアプログラムには、口腔清掃の実施、日常的にできる口腔機能向上のための訓練(「健口体操」等)の実施等、居宅において利用者が日常的に実施すべき内容を盛り込む。 ④従業者による事後アセスメント 従業者は、計画終了時に、当該利用者の目標達成度、口腔機能の改善状況等を評価する。 |
留意事項 | (1)プログラムが安全に行われるよう、必要に応じ、主治医との連携の上で実施すること。 (2)事故防止のため常に十分な注意を払うとともに、利用者の安全性を十分に考慮し、緊急時に対応できる体制を整備すること。 (3)プログラムの実施及び評価に当たっては、「口腔機能の向上マニュアル(厚生労働省、平成24年改訂版)」をはじめとする文献等を参考とすること。 |
(4) 閉じこもり・認知症予防プログラム
項目 | 内容 |
目的 | 有酸素運動及び趣味活動を増やし、人との交流を図ることにより、認知機能を維持・改善し、自立した生活を送り続けることができるよう支援を行う。 |
対象となる利用者 | 基本チェックリストの判定様式に掲げる⑤または⑥の基準に該当する者 ※判定様式①のみ該当する者についても、対象とすることが可能 |
プログラム概要 | 認知機能の低下の予防及びその支援を目的とした有酸素運動、創作活動、脳活性トレーニング等のプログラムを提供することにより、認知症の予防を図る。 |
従業者 | 理学療法士、作業療法士、看護職員又は介護福祉士の資格を有する者 |
利用人数の目安 | おおむね10名程度 |
実施期間 | 6ヶ月間 |
実施回数・時間 | 週1回、1回当たり90分程度 |
利用者負担金 | 1回130円 |
実施内容 | ①従業者による事前アセスメント 従業者はプログラム開始前に、利用者の心身機能の把握及び認知機能の評価を行うとともに、関連するQOL等の個別の状況等についても把握し、評価する。また、身体機能を踏まえたプログラムを実施する場合は、その危険性についての評価を行う。 ②個別支援計画書の作成 従業者は、事前アセスメントの結果を踏まえ、利用者ごとのプログラム内容、実施期間、実施回数等を記載した個別支援計画書を作成し、利用者の了解を得るものとする。 なお、個別支援計画書の作成に当たっては、実施期間を6ヶ月間とし、利用者の負担とならず、かつ、その効果を期待できるスケジュールを設定すること。また、一定期間ごとに一定の目標を定め、利用者の状況に応じて、過度の負担がかからないようにプログラムを設定すること。 ③プログラムの実施 従業者は、個別支援計画書に基づき、プログラム(有酸素運動、創作活動等)を実施する。なお、1回のプログラムの中に、セルフケアのための学習時間を入れること。また、1か月に1回、サービスの実施状況及び目標の達成状況を記録すること。 ④従業者による事後アセスメント 従業者は、計画終了時に、事前アセスメントで用いた評価ツールを用いて、比較検討や当該利用者の目標達成度と客観的状態を評価する。 |
留意事項 | (1)プログラムが安全に行われるよう、必要に応じ、主治医との連携の上で実施すること。 (2)事故防止のため常に十分な注意を払うとともに、利用者の安全性を十分に考慮し、緊急時に対応できる体制を整備すること。 (3)プログラムの実施及び評価に当たっては、「認知機能低下予防・支援マニュアル(厚生労働省、平成24年改訂版)」をはじめとする文献等を参考とすること。 |