○釧路町町民参加と協働のまちづくり基本条例

平成20年12月15日

条例第31号

わたしたちのまち釧路町は、青く広がる太平洋と悠久の時を刻む釧路湿原に抱かれた豊かな自然環境のもと、多くの先人の英知とたゆまぬ営みによって築かれ、さまざまな歴史と文化を育んできました。

これまで、わたしたちは、互いに支え合い、人と人、人と自然とのつながりを大切にし、まち・ひとの輝きとぬくもりがひろがるまちづくりに取り組んできました。

今、わたしたちは、豊かな自然に育ち、たくましい開拓者精神を引き継ぐ町民として、また、この地に集い、暮らし、働き、学ぶ町民として、互いに力を合わせ、将来を担う世代へ誇れるまちを築いていかなければなりません。

そのためには、新たな時代に対応する住民自治の確立とともに、わたしたち一人ひとりが、提案者、そして担い手となって、町民参加と協働のまちづくりをすすめていくことが必要です。

あわせて、町民、地域、役場が互いに連携と補完を図りながら、地域力を高め、活力と魅力あふれるまちづくりをすすめていくことも大切です。

わたしたちは、ここに町民参加と協働を基本としたまちづくりの理念を掲げ、まち・ひとの輝きとぬくもりが生きつづける「未来に誇れるまち」をめざして、この条例を制定します。

(目的)

第1条 この条例は、釧路町のまちづくりにおける町民参加と協働に関する基本的な事項を定めることにより、その一層の推進を図ることを目的とします。

(言葉の意味)

第2条 この条例で使われている言葉の意味は、次のとおりとします。

(1) 「町民」とは、釧路町内(以下「町内」という。)において、住んでいる人、働いている人又は学んでいる人をいいます。

(2) 「地域」とは、町内で活動する町内会や住民団体、事務所又は事業所を有する法人その他団体をいいます。

(3) 「役場」とは、釧路町の町長、教育委員会等の機関をいいます。

(4) 「まちづくり」とは、町民がよりよい生活を営むために行う取組みをいいます。

(5) 「町民参加」とは、役場の行うまちづくりについて、町民の意見が反映されるよう、町民が様々な形で参加することをいいます。

(6) 「協働」とは、町民、地域、役場がそれぞれ役割を理解し、協力しながらまちづくりをすすめることをいいます。

(7) 「意見提出手続き」とは、役場が重要な条例や政策を決めるときに、原案がまとまった段階で公表し、これに対して町民から広く意見を募集し、意見の概要、意見に対する役場の考え方を公表する一連の手続をいいます。

(8) 「ワークショップ」とは、役場と町民、町民同士が議論や、実体験を通して課題解決に向け行うグループ討議方法をいいます。

(基本原則)

第3条 町民、地域、役場は、対等なパートナーとしてそれぞれの役割を理解するとともに、共通認識にたって町民参加と協働のまちづくりをすすめることを基本原則とします。

(町民及び地域の役割)

第4条 町民及び地域は、積極的に地域社会に関心を持ち、自らの町や地域について考え行動するよう努めるものとします。

2 町民及び地域は、町民参加と協働のまちづくりに関心を持ち、その活動の発展と推進に協力するよう努めるものとします。

(議会の役割)

第5条 議会は、町民参加と協働のまちづくりに積極的に関わり、町政の推進を図るものとします。

(役場の役割)

第6条 役場は、全職員が町民参加と協働のまちづくりについて考え、行動し、町民及び地域の意見の積極的な把握に努めるものとします。

2 役場は、町民及び地域の行うまちづくりに様々な方策で連携や協力、支援に努めるものとします。

3 役場は、町民参加の機会とわかりやすい情報の提供を積極的に行い、意見をまちづくりに反映することに努めるものとします。

(協働のまちづくりに取組むことができる環境づくり)

第7条 前条第2項に規定する支援とは、町民が率先して協働のまちづくりに取組むことができる環境づくりをすすめるために、情報の提供や交流・連携のほか、次の方法によるものとします。

(1) 協働のまちづくりに取組む町民及び地域への育成支援

(2) 町民及び地域が自主的・主体的に行う協働のまちづくりへの活動支援

(情報の共有)

第8条 第6条第3項に規定する情報の提供は、役場が持つ情報を町民、地域が理解し共有できるよう、次の各号のいずれかの方法又は複数の組み合わせにより、早くわかりやすく伝えるべき人に届くよう努めるものとします。

(1) 広報「釧路町」

(2) 釧路町公式ホームページ

(3) 担当窓口や各支所での閲覧や配布

(4) 説明会及び意見交換会

(5) その他必要と認める方法

(町民参加の方法)

第9条 役場は、町民及び地域からの意見及び提案について把握に努めるほか、次の各号のいずれかの方法又は複数の組み合わせにより、参加しやすい発言の場をつくり、町民参加を推進します。

(1) 意見提出手続き

(2) 説明会及び意見交換会

(3) ワークショップ

(4) アンケート調査、聞き取り調査

(5) 町政懇談会等の広聴活動

(6) 審議会等

(7) その他の町民参加手続き

(意見及び提案への回答方法)

第10条 役場は、前条により、寄せられた意見及び提案を大切にするとともに、活用方法及び意見反映については、第8条各号により、早くわかりやすく町民にお知らせします。

(実施状況等の評価)

第11条 この条例による町民参加と協働の基本的事項に関する調査、取組に対する評価及び改善方法の審議は、釧路町附属機関に関する条例(平成9年釧路町条例第2号)に規定する釧路町まちづくり推進審議会で行うものとします。

(実施状況等の公表)

第12条 役場は、年度ごとに、町民参加と協働の取組状況を総括し、これを公表するものとします。

(条例の位置づけ)

第13条 役場は、条例、規則等の制定又は改廃の手続き、政策等の立案及び役場が行うまちづくりは、この条例で規定する町民参加と協働のまちづくりに関する基本的な理念を尊重するよう努めるものとします。

(条例の見直し)

第14条 役場は、町民参加と協働の取組状況、効果、発展性に応じて、この条例の見直しを行うものとします。

(委任)

第15条 この条例の施行に関し必要な事項は規則に定めます。

附 則

(施行期日)

1 この条例は、平成21年4月1日より施行します。

(経過措置)

2 この条例の施行の際、既に着手され又は着手のための準備が進められている役場の仕事であって、時間的な制約その他の理由により、第9条に定めるところによる町民参加手続を行うことが困難と認められるものについては、同条の規定は適用しません。

附 則(平成21年3月17日条例第4号)

この条例は、平成21年4月1日より施行します。

釧路町町民参加と協働のまちづくり基本条例

平成20年12月15日 条例第31号

(平成21年4月1日施行)