○釧路町認知症初期集中支援事業実施要綱

平成28年3月11日

訓令第17号

(目的)

第1条 この訓令は、認知症の人及びその家族に早期に関わる認知症初期集中支援チーム(以下「支援チーム」という。)を配置し、早期診断及び対応に向けた支援体制を構築することにより、認知症の人の意思が尊重され、できる限り住み慣れた地域のよい環境で自分らしく暮らし続けることができる地域づくりを図り、もって、高齢者福祉の増進を図ることを目的とする。

(実施主体)

第2条 この事業の実施主体は、釧路町とする。

2 町長が適切な事業運営が確保できると認めた場合にあっては、事業の一部を団体等(以下「実施団体」という。)に委託することができる。

(実施体制)

第3条 支援チームは、町内全域を活動範囲とする。

2 支援チームは、認知症専門医の指導の下、複数の専門職が家族の訴え等により認知症が疑われる人、認知症の人(以下「訪問支援対象者」という。)及びその家族を訪問し、観察、評価及び家族支援等の初期の支援を包括的かつ集中的に行い、自立生活のサポートを行うものとする。

3 支援チームは、釧路町地域包括支援センター(以下「センター」という。)の社会福祉士、保健師、主任介護支援専門員(以下これらを「職員」という。)、かかりつけ医、認知症サポート医、介護事業者等との連携を常に意識し、情報の共有に努めるものとする。

(支援チームの構成員)

第4条 支援チームの構成員(以下「チーム員」という。)は、第1号に定める要件を満たす専門職(以下「専門職」という。)2名以上と第2号に定める要件を満たす専門医(以下「専門医」という。)1名の計3名以上で編成する。

(1) 専門職は、次に掲げる要件を全て満たす者とする。

 医師、歯科医師、薬剤師、保健師、助産師、看護師、准看護師、理学療法士、作業療法士、社会福祉士、介護福祉士、視能訓練士、義肢装具士、歯科衛生士、言語聴覚士、あん摩マッサージ指圧師、はり師、きゅう師、柔道整復師、栄養士、精神保健福祉士、介護支援専門員のいずれかに該当する者又はこれらに準ずる者のうち認知症の医療や介護における専門的知識及び経験を有すると町長が認めた者

 認知症ケア実務経験3年以上又は在宅ケア実務経験3年以上を有する者

 国が別途定める必要な研修を受講し、必要な知識及び技能を修得するものとする。ただし、チーム員のいずれかが当該研修を修了し、チーム員内で必要な知識及び技能を共有している場合には、この限りではない。

(2) 専門医は、日本老年精神学会若しくは日本認知症学会の定める専門医又は認知症疾患の鑑別診断等の専門医療を主たる業務とした5年以上の臨床経験を有する医師のいずれかに該当し、かつ、認知症サポート医である医師とする。ただし、当該医師の確保が困難な場合には、次に掲げる医師も認めることとする。

 日本老年精神学会若しくは日本認知症学会の定める専門医又は認知症疾患の鑑別診断等の専門医療を主たる業務とした5年以上の臨床経験を有する医師であって、今後5年間で認知症サポート医研修を受講する予定である者

 認知症サポート医であって、認知症疾患の診断及び治療に5年以上従事した経験を有する者(認知症疾患医療センター等の専門医と連携を図っている場合に限る。)

(チーム員の役割)

第5条 専門職は、訪問支援対象者の認知症の包括的観察及び評価に基づく初期集中支援を行うために訪問活動等を行う。

2 専門医は、認知症に関する専門的見識からチーム員に対して指導又は助言等を行うとともに、必要に応じてチーム員に同行して訪問支援対象者等を訪問し、相談に応需する。

3 初回の観察と評価のための訪問は、原則として医療系専門職及び介護系専門職それぞれ1名以上の計2名以上で訪問する。

(訪問支援対象者)

第6条 訪問支援対象者は、原則として40歳以上で、在宅で生活しており、次のいずれかに該当する者とする。

(1) 医療サービス、介護サービスを受けていない者又は中断している者で次のいずれかに該当する者

 認知症疾患の臨床診断を受けていない者

 継続的な医療サービスを受けていない者

 適切な介護サービスに結び付いていない者

 介護サービスが中断している者

(2) 医療サービス又は介護サービスを受けているが認知症の行動又は心理症状が顕著なため、対応に苦慮している者

(事業内容)

第7条 支援チームは、次の各号に定める事項を実施する。

(1) 支援チームは、町民や関係機関等に対し、支援チームの役割や機能について広報活動や協力依頼を行うものとする。

(2) 支援チームは、認知症初期集中支援として次に掲げる事業を実施する。

 訪問支援対象者の把握

支援チームは、センターと相互に情報を共有しながら訪問支援対象者の把握に努めるものとする。

 情報収集及び観察と評価

支援チームは、本人のほか家族等のあらかじめ協力の得られる人が同席できるよう調整し、本人の現病歴、既往歴及び生活情報等に加え家族の状況等を情報収集するとともに、所定の観察と評価票を用いて、認知症の包括的観察と評価を行う。

 初回訪問時の支援

支援チームは、初回訪問時に認知症の包括的観察と評価、基本的な認知症に関する正しい情報の提供、専門的医療機関への受診、介護保険サービスの利用の効果に関する説明及び訪問支援対象者又はその家族の心理的サポートや助言等を行う。

 チーム員会議の開催

支援チームは、初回訪問後、訪問支援対象者毎に観察と評価内容を総合的に確認し、支援方針、内容、頻度等を検討するため、必要に応じて、訪問支援対象者のかかりつけ医、介護支援専門員又は職員も含めたチーム員会議を開催する。

 初期集中支援の実施

支援チームは、医療機関への受診が必要な場合の訪問支援対象者への動機付けや継続的な医療サービスの利用に至るまでの支援、介護サービスの利用等の勧奨及び誘導、認知症の重症度に応じた助言、身体を整えるケア及び生活環境等の改善等の支援を行う。ただし、支援期間は、訪問支援対象者が医療サービスや介護サービスによる安定的な支援に移行するまでの間とし、概ね最長で6か月とする。

 引き継ぎ後の状況の把握及び評価

支援チームは、初期集中支援の終了をチーム員会議で判断した場合、担当職員又は担当介護支援専門員等と同行訪問を行う等の方法で円滑に引き継ぎを行うこととし、チーム員会議において、引き継ぎの2か月後に、サービスの利用状況等を評価し、必要性を判断の上、随時状況を把握し、評価等を行う。

 記録等の保管

支援チームは、訪問支援対象者に関する情報、観察と評価結果、初期集中支援の内容等を記録した書類を適切に管理及び保管しなければならない。

(町の責務)

第8条 町は、適切及び公正かつ中立な支援チームの運営の確保を図るため、支援チーム検討委員会(以下「検討委員会」という。)を設置し、前条に規定する業務の評価を行うものとする。

2 検討委員会の構成員は、釧路町地域ケア会議設置要綱(平成27年釧路町訓令第18号)第2条の規定に基づく関係者と兼ねるものとする。ただし、実施団体の利害関係者は除くものとする。

(実績報告)

第9条 実施団体は、別に定める様式により、町長に実績報告を行う。

(個人情報の保護)

第10条 実施団体は、本事業に関して収集した個人情報については、釧路町個人情報の保護に関する条例(平成17年釧路町条例第5号)の定めに従い、訪問支援対象者及び対象者世帯の個人情報の尊重及び保護に万全を期すものとし、正当な理由がなくその業務に関して知り得た秘密を漏らしてはならない。その職を退いた後も、同様とする。

(その他)

第11条 この訓令に定めるもののほか必要な事項は、別に定める。

附 則

この訓令は、平成28年4月1日から施行する。

附 則(平成29年10月24日訓令第52号)

この訓令は、公布の日から施行する。

釧路町認知症初期集中支援事業実施要綱

平成28年3月11日 訓令第17号

(平成29年10月24日施行)