○釧路町職員の懲戒処分等に関する指針
平成24年7月1日
訓令第11号
(目的)
第1条 この訓令は、職員の懲戒処分に関する透明性を確保し、地方公務員法(昭和25年法律第261号。以下「法」という。)第29条第1項各号に掲げる行為及びこれらに準ずる行為(以下「非違行為」という。)に対して、厳正かつ公正に対処するとともに、不祥事を未然に防止し、行政に対する住民の信頼を確保することを目的とする。
(1) 非違行為の動機、態様及び結果はどのようなものであったか
(2) 故意又は過失の度合いはどの程度であったか
(3) 非違行為を行った職員の職責はどのようなものであったか。また、その職責は非違行為との関係でどのように評価すべきか
(4) 他の職員及び社会に与える影響はどのようなものであるか
(5) 過去に非違行為を行っているか
2 第5条に規定する懲戒処分等標準例に掲げられていない事由であっても、いかなる場合でも非違行為は、懲戒処分の対象となり得るものであり、これらについては、懲戒処分等標準例の例により判断する。
(懲戒処分の種類及び内容)
第3条 法第29条第1項に規定される懲戒処分の種類毎の内容は次のとおりとする。
(1) 免職 処分の日をもって勤務関係から排除する
(2) 停職 処分の日から1日以上6月以内職務に従事させない
(3) 減給 処分の日から1日以上6月以内給料の月額の10分の1以下に相当する額を給与から減ずる
(4) 戒告 戒告書をもって、その将来を戒める
(指導上の措置の種類及び内容)
第4条 懲戒処分に該当しない職員の非違行為に対しては、その責任を確認させ、将来を戒めるために次に掲げる指導上の措置を行う。
(1) 訓告 町長が文書により行う注意
(2) 厳重注意 副町長が文書により行う注意
(3) 口頭注意 所属部長(出納室職員の場合は総務部長、部長及び会計管理者の場合は副町長)が口頭により行う注意
(懲戒処分等標準例)
第5条 懲戒処分等標準例は、次表のとおりとする。
(1) 懲戒処分 | ||||||||||
項目 | 区分 | 事由 | 免職 | 停職 | 減給 | 戒告 | ||||
ア 一般服務関係 | (1) 欠勤 | ア 正当な理由なく10日以内の間勤務を欠いた場合 | ○ | ○ | ||||||
イ 正当な理由なく11日以上20日以内の間勤務を欠いた場合 | ○ | ○ | ||||||||
ウ 正当な理由なく21日以上の間勤務を欠いた場合 | ○ | ○ | ||||||||
(2) 遅刻・早退 | 正当な理由なく勤務時間の始め又は終わりに繰り返し勤務を欠いた場合 | ○ | ||||||||
(3) 休暇等の虚偽申請 | 病気休暇又は特別休暇等について虚偽の申請をした場合 | ○ | ○ | |||||||
(4) 勤務態度不良 | 勤務時間中に職場を離脱する等職務を怠り、公務の運営に支障を生じさせた場合 | ○ | ○ | |||||||
(5) 職場内秩序を乱す行為 | ア 他の職員に対する暴行により職場の秩序を乱した場合 | ○ | ○ | |||||||
イ 他の職員に対する暴言により職場の秩序を乱した場合 | ○ | ○ | ||||||||
(6) 虚偽報告 | 事実をねつ造して虚偽の報告を行った場合 | ○ | ○ | |||||||
(7) 違法な職員団体活動 | ア 同盟罷業、怠業その他の争議行為を行った場合 | ○ | ○ | |||||||
イ 同項に規定する違法な行為を企て、又はその遂行を共謀し、そそのかし、若しくはあおった場合 | ○ | ○ | ||||||||
(8) 秘密漏えい | 職務上知ることのできた秘密を漏らし、公務の運営に重大な支障を生じさせた場合 | ○ | ○ | |||||||
(9) 個人の秘密情報の目的外収集 | その職権を濫用して、専らその職務の用以外の用に供する目的で個人の秘密に属する事項が記録された文書等を収集した場合 | ○ | ○ | ○ | ||||||
(10) 個人の秘密情報を流出 | 適切な事務処理等を怠り、個人の秘密に属する事項が流出した場合 | ○ | ○ | ○ | ||||||
(11) 政治的目的を有する文書の配布 | 政治的目的を有する文書を配布した場合 | ○ | ||||||||
(12) 兼業の承認等を得る手続きのけ怠 | 営利企業の役員等の職を兼ね、若しくは自ら営利企業を営むことの承認を得る手続又は報酬を得て、営利企業以外の事業の団体の役員等を兼ね、その他事業若しくは事務に従事することの許可を得る手続を怠り、これらの兼業を行った場合 | ○ | ○ | |||||||
(13) セクシュアル・ハラスメント | ア 暴行若しくは脅迫を用いてわいせつな行為をし、又は職場における上司・部下等の関係に基づく影響力を用いることにより強いて性的関係を結び若しくはわいせつな行為をした場合 | ○ | ○ | |||||||
イ 相手の意に反することを認識の上で、わいせつな言辞、性的な内容の電話、性的な内容の手紙・電子メールの送付、身体的接触、つきまとい等の性的な言動(以下「わいせつな言辞等の性的な言動」という。)を繰り返した場合 | ○ | ○ | ||||||||
ウ イの場合においてわいせつな言辞等の性的な言動を執拗に繰り返したことにより相手が強度の心的ストレスの重積による精神疾患に罹患したときは、当該職員 | ○ | ○ | ||||||||
エ 相手の意に反することを認識の上で、わいせつな言辞等の性的な言動を行った場合 | ○ | ○ | ||||||||
(14) 不適切な事務処理 | 上記に掲げるもののほか、故意又は重大な過失により適切な事務処理を怠り、公務の運営に支障を生じさせた場合 | ○ | ○ | |||||||
イ 公務員倫理関係 | (1) 収賄 | 職務に関し賄賂を収受し、又はその要求若しくは約束をした場合 | ○ | |||||||
(2) 利害関係者からの利益供与 | 利害関係者から金銭・物品の贈与、飲食・遊戯・旅行等の接待、紹介・仲介・斡旋等の便宜供与を受けた場合 | ○ | ○ | ○ | ○ | |||||
(3) 官製談合 | 法律に規定する入札談合等関与行為を行った場合 | ○ | ○ | |||||||
(4) 公文書の不適正な取扱い | ア 公文書を偽造又は毀棄した場合 | ○ | ○ | |||||||
イ 紛失、誤廃棄又はその他不適正に取扱った場合 | ○ | ○ | ○ | |||||||
(5) 公印偽造・不正使用 | 公印を偽造又は不正使用した場合 | ○ | ○ | |||||||
ウ 公金官物等取扱い関係 | (1) 横領 | 公金、準公金又は官物等を横領した場合 | ○ | |||||||
(2) 窃取 | 公金、準公金又は官物等を窃取した場合 | ○ | ||||||||
(3) 詐取 | 人を欺いて公金、準公金又は官物等を交付させた場合 | ○ | ||||||||
(4) 紛失 | 公金、準公金又は官物等を紛失した場合 | ○ | ||||||||
(5) 盗難 | 重大な過失により公金、準公金又は官物等の盗難に遭った場合 | ○ | ||||||||
(6) 官物等損壊 | 故意に職場において官物等を損壊した場合 | ○ | ○ | |||||||
(7) 失火 | 過失により職場において官物等の出火、爆発を引き起こした場合 | ○ | ||||||||
(8) 諸給与の違法支払・不適正受給 | 故意に法令に違反して諸給与を不正に支給した職員及び故意に届出を怠り、又は虚偽の届出をするなどして諸給与を不正に受給した場合 | ○ | ○ | |||||||
(9) 公金官物処理不適正 | 自己保管中の公金、準公金の流用等公金、準公金又は官物等の不適正な処理をした場合 | ○ | ○ | |||||||
(10) コンピュータの不適正使用 | 職場のコンピュータをその職務に関連しない不適正な目的で使用し、公務の運営に支障を生じさせた場合 (不正アクセス、わいせつ文書、図画の閲覧、電子データの破損、不正プログラム等の利用、ウイルス感染など) | ○ | ○ | ○ | ||||||
エ 公務外非行関係 | (1) 放火 | 放火をした場合 | ○ | |||||||
(2) 殺人 | 人を殺した場合 | ○ | ||||||||
(3) 傷害 | 人の身体を傷害した場合 | ○ | ○ | |||||||
(4) 暴行・けんか | 暴行を加え、又はけんかをした職員が人を傷害するに至らなかった場合 | ○ | ○ | |||||||
(5) 器物損壊 | 故意に他人の物を損壊した場合 | ○ | ○ | |||||||
(6) 横領 | 自己の占有する他人の物(公金、準公金又は官物等を除く。)を横領した場合 | ○ | ○ | |||||||
(7) 窃盗・強盗 | ア 他人の財物を窃取した場合 | ○ | ○ | |||||||
イ 暴行又は脅迫を用いて他人の財物を強取した場合。 | ○ | |||||||||
(8) 詐欺・恐喝 | 人を欺いて財物を交付させ、又は人を恐喝して財物を交付させた場合 | ○ | ○ | |||||||
(9) 賭博行為 | ア 賭博をした場合 | ○ | ○ | |||||||
イ 常習として賭博をした場合 | ○ | |||||||||
(10) 麻薬・覚せい剤等を所持又は使用 | 麻薬・覚せい剤等を所持又は使用した場合 | ○ | ||||||||
(11) 酩酊による粗野な言動等 | 酩酊して、公共の場所や乗り物において、公衆に迷惑をかけるような著しい粗野又は乱暴な言動をした場合 | ○ | ○ | |||||||
(12) 淫行 | 18歳未満の者に対して、金品その他財産上の利益を対償として供与し、又は供与することを約束して淫行をした場合 | ○ | ○ | |||||||
(13) 痴漢行為 | 公共の乗物等において痴漢行為をした場合 | ○ | ○ | |||||||
(14) 強姦・強制わいせつ | 暴行又は脅迫を用いてわいせつな行為をした場合 | ○ | ○ | |||||||
(15) ストーカー行為 | つきまとい等のストーカー行為をした場合 | ○ | ○ | ○ | ||||||
(16) 盗撮 | 人を著しくしゅう恥させ、又は人に不安を覚えさせるような方法で盗撮を行った場合 | ○ | ○ | |||||||
オ 交通事故・交通法規違反関係 | (1) 飲酒運転 | ア 酒酔い運転をした場合 | ○ | ○ | ||||||
人身事故を起こした場合 | ○ | |||||||||
イ 酒気帯び運転をした場合 | ○ | ○ | ○ | |||||||
人身事故を起こした場合 | ○ | ○ | ||||||||
措置義務違反(ひき逃げ、あて逃げ等)をした場合 | ○ | |||||||||
ウ 飲酒運転であることを知りながらこれに同乗し、又は同乗しないがそれを容認した場合 | ○ | ○ | ||||||||
エ 飲酒運転となることを知りながら他の者に酒類を提供し、又は飲酒を勧めた場合(幇助) | ○ | ○ | ||||||||
オ 飲酒運転をする意志のない他の者をそそのかし飲酒運転をさせた場合(教唆) | ○ | ○ | ||||||||
カ 酒気帯び運転をして報告を怠った場合 | ○ | ○ | ||||||||
(2) 飲酒運転以外での交通事故(人身事故を伴うもの) | ア 交通事故((1)によるものを除く。)により人を死亡させ、又は重篤な傷害を負わせた場合 | ○ | ○ | ○ | ||||||
措置義務違反(ひき逃げ、あて逃げ等)をした場合 | ○ | ○ | ||||||||
イ 交通事故((1)によるものを除く。)により人に傷害を負わせた場合 | ○ | ○ | ○ | |||||||
措置義務違反(ひき逃げ、あて逃げ等)をした場合 | ○ | ○ | ||||||||
(3) 無免許運転・速度超過等の交通規則違反 | ア 無免許運転をした場合 | ○ | ○ | ○ | ||||||
他人の物を損壊する交通事故を起こし、その後の事故防止を怠る等措置義務違反をした場合 | ○ | ○ | ||||||||
イ 著しい速度超過した場合 (時速30km以上、高速自動車道路にあっては、時速40km以上) | ○ | ○ | ○ | |||||||
カ 監督責任関係 | (1) 指導監督不適正 | 部下職員が懲戒処分を受ける等した場合で、管理監督者として指導監督に適正を欠いていた場合 | ○ | ○ | ||||||
(2) 非行の隠ぺい、黙認 | 部下職員の非違行為を知り得たにもかかわらず、その事実を隠ぺいし、又は黙認した場合 | ○ | ○ | |||||||
注 準公金及び官物等とは、公金(町の管理に属する現金、預貯金、有価証券等をいう。)以外の現金及び各団体で所管する備品であって、業務上の必要性から町の職員が各団体の出納経理等の事務処理に従事する届出を行なった団体の事務局等を所管し管理するものをいう。 | ||||||||||
(2) 指導上の措置 | ||||||||||
項目 | 区分 | 事由 | 訓告 | 厳重注意 | 口頭注意 | |||||
ア 交通法規違反関係(刑事罰を伴うものは除く) | (1) 速度違反 | 一般道路で時速30km未満25km以上の場合又は高速自動車道路で時速40km未満の場合 | ○ | |||||||
一般道路で時速25km未満の場合 | ○ | |||||||||
(2) 違反点数が2点以下の交通違反 | 駐停車違反、信号無視、通行禁止違反、指定場所一時不停止等、整備不良、座席ベルト装置義務違反、携帯電話使用等、安全義務義務違反など | ○ | ||||||||
(3) 違反点数が3点の交通違反 | 放置駐車違反(駐停車禁止場所等)など | ○ | ||||||||
(4) 公務中の物損事故 | 公務中の交通事故等により町に損害賠償を発生させた場合で | |||||||||
自損事故でおおよそ自分の不注意以外の要因により生じた事故 | ○ | |||||||||
自損事故でおおよそ自分の不注意が要因により生じた事故 | ○ | |||||||||
車両同士の事故で自分の過失割合が50%未満 | ○ | |||||||||
車両同士の事故で自分の過失割合が50%以上 | ○ | |||||||||
建造物に損害を与えた事故でおおよそ自分の不注意以外の要因で生じた事故 | ○ | |||||||||
建造物に損害を与えた事故でおおよそ自分の不注意が要因で生じた事故 | ○ | |||||||||
建造物以外に損害を与えた事故でおおよそ自分の不注意以外の要因で生じた事故 | ○ | |||||||||
建造物以外に損害を与えた事故でおおよそ自分の不注意が要因で生じた事故 | ○ | |||||||||
(5) 私用中の物損事故 | 私用中の交通事故等で相手がいる場合(自損事故は除く)で自分の過失が70%未満 | ○ | ||||||||
私用中の交通事故等で相手がいる場合(自損事故は除く)で自分の過失が70%以上 | ○ | |||||||||
注 おおよそ自分の不注意以外の要因とは、動物等の予期せぬ飛び出し若しくは、天候、路面や道路周辺の状況に合わせた運転を行ったにもかかわらず発生した場合 |
(情状による懲戒処分の加重又は軽減)
第6条 情状による懲戒処分の加重又は軽減は、次のとおりとする。
(1) 懲戒処分を行う場合において、次のいずれかの事由があるときは、懲戒処分等標準例に掲げる最も重い懲戒処分よりも更に重い処分を行うことができる。
ア 職員が行った行為の態様等が極めて悪質であるとき。
イ 職員が違法行為を継続した期間が長期にわたるとき。
ウ 職員が管理又は監督の地位にあるなど、その占める職制の責任の度が特に高いとき。
エ 当該職員が過去に懲戒処分を受けたことがあるとき。
(2) 懲戒処分を行う場合において、次のいずれかの事由があるときは、懲戒処分等標準例に掲げる最も軽い懲戒処分よりも更に軽い処分を行うか、又は処分しないことができる。この場合、規定する懲戒処分の種類のうち最も軽い懲戒処分が停職の場合にあっては減給、減給の場合にあっては戒告、戒告の場合にあっては処分を行わず訓告を原則とする。
ア 自らの非違行為が発覚する前に自主的に申し出、反省しているとき。
イ 情状を酌量するに足りるだけの正当な理由や避けられない偶然性、偶発性が原因となっている等、非違行為の背景に特別な事情があるとき。
附 則
この訓令は、平成24年7月1日から施行し、同日以降に懲戒処分等に該当する非違行為があった事案について適用し、施行前にした非違行為については、なお従前の例による。
附 則(平成28年2月12日訓令第8号)
この訓令は、平成28年4月1日から施行する。
附 則(平成29年6月6日訓令第38号)
(施行期日)
1 この訓令は、公布の日から施行し、同日以降に懲戒処分等に該当する非違行為について適用する。
(経過措置)
2 この訓令の施行前にした非違行為については、なお従前の例による。
附 則(平成30年10月31日訓令第53号)
この訓令は、公布の日から施行する。